人材派遣業決算
人材派遣業決算
人材派遣業の決算の特徴は、何といっても、派遣スタッフの人件費が多く計上されるということです。
つまり人件費が他の業種より多くなります。
人件費が多くなると、消費税をたくさん支払う必要が出てきます。
A社(小売業)の決算書
売上 100(5)
経費 100(5)
利益 0 ()は、消費税
B社(人材派遣業)の決算書
売上 100(5)
経費 100(0)(経費は、人件費のみとする)
利益 0
A社とB社を比較しますと、売上も経費も利益も全く同じです。
しかし、消費税を見ると、
A社は、売上で消費税5円もらい、経費で消費税5円支払っているので、
消費税の納税額は、5-5でゼロになるのです。
一方B社は、売上で消費税5円もらいますが、経費で消費税は、全く支払っていないことになりますので、消費税の納税額は、5ー0で、5円となってしまいます。
つまり、同じ売上、経費、利益でも、経費の中身が人件費の場合は、その人件費を支払う時に、消費税をオンして支払いませんので、結局消費税が売上でもらった分が浮いてしまい、その分を税務署に納めなければなりません。
以上から人材派遣業の決算は、消費税が最大のポイントではないでしょうか。
このことは、何も人材派遣業だけでなく、他の業種でも人件費が多ければ多い程、消費税の納税額が多くなってきますので、御注意下さい。
消費税は、赤字でも納めなければならない税金です。
B社(人材派遣業)の決算書
売上 100(5)
経費 200(0)(経費は、人件費のみとする)
利益ー100
これは、極端な例ですが、売上が100ですが、人件費が200かかってしまい、赤字になってしまったとします。
確かに利益は、マイナス100です。
社長は、今年は、赤字が100もあるから、税金はゼロだと安心していました。ところが税理士が決算をして、消費税5は、支払わなければなりませんと説明されてびっくりした。
税理士の計算は、こうです。
売上で消費税5円もらったが、経費でかかった200には、消費税は全くかかっていないので、納税額の計算は、5-0=5となり、5だけ納税ということになる。
この辺りが消費税の恐いところです。
3年分まとめて決算お願いできますか、とたまに依頼されるのですが、
時には、このようなことで、消費税が発生することもありますので、やはり、ほったらかしにせず、申告は毎年期限内に申告して頂きたいものです。
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