中古車販売業決算
中古車販売業決算
中古車販売業者の、特徴は、消費税の処理がややこしいということです。
例えば、ベイオークで中古車を仕入れた場合、ひとくちに仕入といっても、自動車税が含まれていたり、リサイクル料金が含まれていたりします。
これらは、消費税が課税されません。ところが車本体の価格や、ベイオークの手数料には、消費税は課税されます。
この仕入れを会計処理する場合、消費税が課税されるものと、課税されないものとを区別して処理する必要があり、大変です。
売上も同様なことがおきます。
ベイオークに売る場合も、仕入と同じく、自動車税やリサイクルが入ってきますので、会計処理が大変です。
これらの処理をきちんと処理するのは、非常に大変な作業です。
さらに、決算の時の在庫の計上漏れが多いので注意が必要です。
これを理解する為には、在庫の利益に与える影響を知っていなければなりません。
通常利益は、
売上 100
売上原価 80
利益 20
のように計算します。
この売上原価の方をもう少し詳しくみますと、
(期末在庫ゼロの場合)
売上 100
期首在庫 0
当期仕入 80
合計(A)
期末在庫(B) 0
売上原価(AーB) 80
利益 20
(期末在庫有りの場合)
売上 100
期首在庫 0
当期仕入 80
合計(A)
期末在庫(B) 0
売上原価(AーB) 80
利益 20
これは何を意味するかと言いますと、
売上は、先に車を仕入れてから、その仕入れた車を売ってゆくものです。その仕入れた車の金額が80ということです。ただ、この仕入れた車80の全てが売れたのならよいですが(上記の例でいうと、期末在庫ゼロの場合)、その80のうち20だけはまだ売れ残っている場合(上記の例でいうと期末在庫有りの場合)、この売れ残った車は、売上原価から除かないと、正確な利益が算出できません。その計算をしているのが、AーBというところです。
結局、期末在庫があると、仕入80より、売上原価が少なくなります。
売上原価が少なくなるということは、利益が増加するということです。
上記の例で言えば、在庫ゼロの場合より、在庫有りの場合の方が利益が大きいです。
つまり、期末在庫が有ればある程、利益は大きくなるのです。
この点が税務調査で一番指摘される箇所ですから、しっかりと在庫を確認することが大事です。
特に、中古車販売の場合、一台が100万や200万の車もある訳ですから、表面上利益が出ていなくとも、これらの在庫の計上漏れがあると、利益が100万、200万出てしまいますので、充分注意して下さい。
中古車販売業をされている方は、一度当事務所にご相談下さい。
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